「土方さん、土方さん」
「何だ?」
「聞きたいことがあるんですけど・・・」


私は土方さんにずっと聞きたいことがあった。今まで聞いちゃいけないような気がして黙っていたけど、やっぱり 気になるものは気になる。なので土方さんがお茶を飲んでくつろいでいる所を見計らって声をかけてみた。


「何だ、そんなに改まって・・・」
「まぁまぁ」
「変なことじゃねーだろうな?」
「では、ズバリ聞きます!」


私は気軽に聞いてはいけないと思い、土方さんの前で正座をして背筋を伸ばした。 それが堅苦しく感じたのか、土方さんは不思議な顔をしていたけれど、こんな事を聞くんだもの、正座くらいはし ておかなきゃ。


「お料いくら貰ってますか!?」


私が質問した瞬間、土方さんは「ぶはっ!」と飲んでいたお茶を吹き出しそうになったのか、ゴホゴホと喉につま らせているようだ。私が近くに寄って背中をさすってあげると、土方さんは喉を整え改めて私のほうへ向く。


「何だよ、急に!?」
「だっていつも残業というかいっぱい働いてるから気になって・・・」


いくら恋人でもこういうことはあまり聞いてはいけない気がする。しかし、土方さんは働きすぎなのである。 副長という役職を担っているし、責任感も強いので働きたくなくても自然と体が動いてしまうのだろう。 しかし、そのほとんどは時間外や残業といったものになるのではないだろうか。それを単純に計算してみると、 なかなかの金額になる。私は失礼を承知で、少し興味本位で聞いてみたかった。


「・・・耳よこせ」
「え!?まさか・・・」
「良いぜ、教えてやっても」


聞いておいて言うのもなんだが、正直教えてくれると思っていなかった。どうせいつものように「バカ野郎!んな こと聞いてくる時間あんなら屯所の掃除してこい!」なんて言われるかと思ったのに・・・。私はワクワクしなが ら土方さんに近づく。そして耳を傍へ寄せると予想外の言葉が囁かれた。


「お前が嫁に来たらな」





反則にときめく
馬鹿な心臓

(そう言って彼は私にキスをする。本当にズルい人)



2012/4/29〜2012/8/12