今日はテツヤくんのお家でゆっくりのんびりお家デート。 テツヤくんは普段から物静かで落ち着いてる (それは影が薄いからかもしれないけど)が、2人きりのときでもそうだ。そんなに会話をするわけでもない。 でもそれもテツヤくんとなら良いと思えるから不思議だ。しかし、いくら何でもせっかくの2人きりなのにずーっ と本を読んでいられるのは私も寂しい。


「ねぇねぇ、テツヤくん」
「どうかしましたか?」
「・・・私といるとつまんない?」
「そんなことあるわけないじゃないですか」
「本当?」
「どうしたんですか、急に」
「だってずっと本読んでるしさー」
「退屈ですか?」
「あ、ううん。そういうことじゃないんだけどさ」
「でも僕、落ち着いてる時じゃないと本読めないんですよ」


それは私といると落ち着く、と受け取っても良いのかな?そしたら、それはそれで嬉しいんだけど、嬉しいだけ で何の解決にもならない。少し構って貰おうとテツヤくんに近づく。


「・・・テツヤくんって色白いね」
「そうですか?」
「目立たないだけで顔もすごくキレイだよね」
「そうですか?」


テツヤくんはずっと本から目を離さない。テツヤくんが私のほうへと横を向いたら唇が触れそうなくらい至近距離 にいるのに、全然こっちを向いてくれない。


「うん、少なくとも私よりキレイ」
「嬉しくないんですけど・・・それに」
「華奢っていうか、細身だし!」
「ちょっと、僕の話聞いてくれませんか」
「私の方が絶対力強い気がする!」
「・・・・・」
「あ、腕相撲でも・・・きゃ!」


彼はいきなり本を床へ起き、私の手首を掴んでそのまま押し倒した。ああ、さっき私のほうが力強い気がする、 と言ったばかりなのに何なのだろうか。全然力が入らない。手首が1mmも動かない。


「心外ですね。貴女をこうして押し倒すくらいの力はありますから」





ときめく誤算
(貴方も立派な男です)



2012/4/29〜2012/8/12