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「痛っ」 「何だ」 「プリントで指切っちゃった」 「相変わらずドジなのだよ」 授業後のHRは割とガヤガヤしている。 そんな中、担任から配られたプリントには三者面談のお知らせと書かれていて、大して興味を持たなかったのですぐにプリントを鞄へしまおうとした。 しかし、ちゃんと見ずにすぐにしまおうとした罰が当たったのかプリントで指を切ってしまった。 つい「痛っ」と声が出てしまって、そんな時に反応したのは同じクラスであり隣の席の緑間くんだった。 私は窓際の一番後ろの席。緑間くんはそんな私の隣の席。 女子と頻繁に喋るタイプではないように見える緑間くんだけど、話してみると意外に面白かったりする。 「言っておくけどこういうのすごい痛いんだからね」 「ドジなのが悪い」 「さっきからドジドジばっか!」 「人事を尽くしていないからそうなるのだよ」 「いや、意味わかんない」 「・・・とにかくお前に構ってる暇はない」 「はいはい、これから部活でしょ?頑張ってね」 緑間くんと下らない言い合いをしているうちにいつの間にかHRは終わっていた。 すぐに帰ろうとする者、しばらくお喋りをしている者と分かれるが、どうやら緑間くんは前者のようだ。 でも帰るのではなく部活へ行く。おは朝にしか興味がないような緑間くんだけど、バスケは一生懸命やってるようだ。 緑間くんは私に呆れてるのか「はぁ」と一息つくとバッグを肩に掛け席を立つ。 私は切ってしまった指を、反対の手の指で押さえながら少しだけ出ている血が止まるのを待っていた。 そして、そのまま緑間くんを送り出そうとした。 でも、緑間くんは席を立つと同時に私の机の上に1枚絆創膏を置いた。 「たまたま今日のラッキーアイテムで持ち歩いていただけなのだよ」 |
奇跡ではなく必然
(実は優しいことも知ってる)
| 2012/2/4〜2012/4/28 |