|
もういつの間にか白い息が出る季節になった。周りもマフラーやコートを着ている生徒で溢れている。 なのに、俺たちテニス部はこんなに寒い季節でも外で練習。堪忍してくれっちゅー話や。それでも俺が 部活を頑張れるのはがいるからだと思う。はどんなに暑い夏の日でも、どんなに寒い雪が降るような 日でも、俺の部活が終わるのを必ず待っとってくれるんや(本当に可愛え彼女やで)ほら、今日もいつものベンチ で手をこすり合わせたり、手のひらにハアと息をはきながら寒さに耐えてるの姿が見えた。 「」 「あ、蔵っ!今日も寒い中お疲れさま」 「中で待っとってくれても良かったのに」 「んーん。だってココなら蔵の部活頑張ってる姿見れるもん」 「(・・・可愛えな)」 「蔵?」 「ほな、帰るか」 「うん」 はスクっと立ち上がって、俺の指に自分の指を絡ませてきた。は学校内では、あまりベタベタ したがらない。もちろん手を繋いだりなんかもしないし、休み時間の度にクラスに来るということもしない。 俺としてはちょっと寂しい気もするんやけど、的に恥ずかしかったり、色々と一生懸命考えとるんだろうと思う。だからそこまでは気に してないつもりや。そのぶん、俺と二人っきりになると甘えてくるが余計可愛いく感じるしなぁ。 「まだ学校内なのにから手繋いでくるなんて、珍しい事もあるもんやな」 「もう部活後だから人あんまいないもーん」 「恥ずかしいって言ってたんは誰やったっけ?」 「う、うるさいなー。蔵だって人前ではあんまベタベタしたくないんでしょ?」 「まぁ俺はどっちでもええけど」 「じゃあ、くっついちゃうもんねー」 そう言うと、はさっきよりもぎゅうっと俺の手を握り、更には腕にもぎゅうっとくっついてきた。 俺は冗談で「こら、歩きづらいやろ」と言うとは「ふん!離れないもん!」と何故かムキになって余計に ぎゅうっと力を入れてきた。俺からしたら、さっきのは照れ隠しで言ったようなもんやから、にこうやって くっつかれるのは本当は嬉しくてたまらない。笑いながら腕を揺らしてわざと離れさせようとしても、も笑ってそれに 合わせるだけだった。何か・・・めっちゃ幸せな気するんやけど! でも俺はここで重大な事に気ィついた。何や、の手めっちゃ冷たいやん!に手を触れられたときにはすぐに 気づかんかったけど、の手をこんなに冷たくしてるのは俺や。何時間も待たせて、凍えるような思い させてんのも俺や。 「、手めっちゃ冷たいなあ」 「え?そう?まぁ冬だからね」 「俺の部活終わるの待っとるからやろ」 「え、別にそういうわけじゃ・・・」 「・・・」 「やだ!」 「は?」 「どうせ蔵のことだから、『待ってなくてもええんやで?』とか言うつもりでしょ」 「(何でわかったんや)」 「それは嫌!私が好きで待ってるんだから良いでしょ」 「でも、が寒かったら俺だって嫌や!」 「ワガママ言わないの!」 「ワガママって何やねん!」 「・・・それに寒いから余計に蔵にくっつきたくなるっていうか」 はちょっと口をモゴモゴさせながら言った。その仕草があまりにも可愛らしくて、の手を ぎゅっと握り返した。今日、が手を繋いで来てくれたのも、きっとそういう理由もあったからやと思う。 「寒いからって理由があれば蔵にくっつきやすいんだもん」と頬を朱く染めて言うは、もう可愛いとかっていう 次元なんかじゃなくて。ここでキスせずにはいられないくらい、愛しかったんや。 |
真冬のひっつき虫
(何でこんなに可愛いんやろ)
|
「あいつら結局ラブラブやん」 「蔵リンったら見せつけてくれるわー」 「小春ぅー。俺らもラブラブしようやー」 「先輩ら、本当キモイっスわ」 |