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ふかふかの大きいベッドに沈めばすることなんてただひとつ。落とされる言葉も、キスも、全部が甘い。彼が私を見つめる顔だって甘いから、視覚も聴覚も甘さに奪われ身体ごと甘く溶ける時間。 「ちょ、ちょっと待って」 「どうしたの?」 「シャワー浴びたい」 「良いよ、そんなの」 「ダメ、私が気にするの」 「…分かったよ」 普段は行為の前にシャワーに入ることもあれば入らないこともある。それは彼の欲望と私の意思次第。私は基本いつだってシャワーを浴びてから行為に臨みたい。別に彼がシャワーを浴びようが浴びなかろうが、それはどっちでも良いけれど、女の私はそういうわけにはいかない。だって、せめて彼には少しでもキレイな身体を見てもらいたいから。けど、その時の彼の性欲がメーターを振り切っていると、残念なことにそれは力づくで却下される。手首を掴まれてそのままキスをされるだけで漏れる吐息を、彼が快楽に変えてしまうから私も結局されるがまま。けど、私にだって折れたくない日はある。「テレビでも観て待ってて」と言い残し、彼を置いてバスルームへ。お湯をためて呑気に入っていたら彼に急かされる気がしたので、シャワーだけ浴びることにした。それにしても、ラブホテルのボディソープは香りが強い気がするのは気のせいだろうか。市販のものでも甘く感じてしまうから不思議だ。シャワーのノズルをキュっと止めると同時に何故かシャワールームの扉が開く音がした。 「…!!」 「あれ、もう終わっちゃったの?」 叫びそうな声を辛うじて抑えて彼に背を向けてしゃがみ込んだ。これが私の精一杯の防衛。だって、恥ずかしい。彼とベッドの上でセックスをする時だって、自分の身体や快楽に陥った顔を見られるのが恥ずかしくて明かりのトーンを落としてもらっているというのに。こんなに明るくて真っ裸の状態を見られるなんて。ごまかしようがない自分の身体を少しでも隠すことしか出来ない。 「、どうしたの?」 「どうしたの…って辰也くんこそ、ど、どうして!?」 「が出てくるの待てなくて」 「だからって」 「だったら一緒に入っちゃえば良いかなって思ったんだ」 「どうしたらそんな思考になるか分からない」 「それにここでも出来るしね」 彼のこの天然なのかそれともワザとなのか分からないところには苦労をする、と言いつつ毎回本気で拒んでいない自分もいて戸惑う。しゃがんでいる私に合わせるように彼もしゃがんでくれて頭を撫でてくれるけれど、それでこのたるんだ身体をお披露目出来るほど、浅はかではない。 「暗くないと無理」 「このホテルはシャワールームのライト調整出来ないみたいだ」 「じゃあ電気消して」 「それじゃあ真っ暗だよ」 彼も譲る気はないらしい。この状況を楽しんでいることくらい、私には分かってるんだから。けれど、ここで彼を突き飛ばしてベッドに戻るほどの勇気は持っていない。ここは結局私が折れるしかないのだろう。 「わ、分かった。じゃあ立って」 「うん」 彼が立ったのを気配で確認し、これで準備OK。私は勢いよく立ち上がり、そのまま彼の身体に寸分の隙間もなく抱き着いた。その勢いに少しよろけそうになった彼だけど、もちろんそんなやわではない。すぐに笑いながら「ビックリしたよ」と私の頭を撫でてくれたから大丈夫だろう。 「私の身体見えないでしょ」 「まぁね」 「よし!」 「でも、余計興奮するよ」 早くも彼の固くなったモノが私に当たる。その感覚にドキっとしていると、半ば強引に頭を掴まれ90度に近いくらい上を向けさせられて彼の唇を重ねられる。いや、重ねられるだけじゃない。食べられるんじゃないかと思うくらいの強さと、舌が触れ合う感触。ああ、これはマズイ。なんていったって私は彼のキスで気持ち良くなってしまうのだから。彼の手が私のお尻を撫でてるのだって何だかいやらしい。そんな雰囲気に酔いしれそうになっている間に、身体が少し離されそうになったのを危うく見逃すところだった。 「ダ…ダメ」 「失敗したか…」 「え!?」 「何でもないよ。…ああ、そうだ」 ここで彼の顔が子供のように無邪気で、でも大人の色気を含んだ顔に変わった。また何か良からぬことを考えたのだろう。くっついたまま今度はちゅ、と可愛らしいリップ音を立てて可愛らしいキスをくれた。先程までの強引な口づけとのギャップに、こんなに可愛らしいキスにまでドキドキしてしまう。 「後ろ向いて」 「え、後ろ?」 「は身体を見られるのが恥ずかしいんだろ?」 「うん、まぁ」 「後ろ向きならまだ良いんじゃないかな」 まだ何も言ってないのに、くるりと180度私の身体を反転させてしまった。後ろ姿を見られるのだって恥ずかしいけれど、確かに前を見られるよりはマシだ。…と思うしかない。おまけに抗う時間もなく、ぎゅっと抱きしめられて耳にキスをされてしまったから、またしても快楽に負けてしまう。 「ひゃっ」 「、背中も綺麗だね」 「あ、あんまり見ないで」 「どうして?こんなにキレイなのに」 彼の指で背中を撫でられるとくすぐったさと気持ち良さの両方に襲われてしまう。おまけに耳元でそんな低音で囁くものだからドキドキよいうよりゾクゾクしてしまってつい逃げ出したくなる。けれど彼に腰を抱かれてホールドされているのでそれも敵わない。結局彼の腕の中でもがくだけ。背中をキスされる度に身体がピキピキと反応してしまうし、舐め撫でられる感触を感じると飛び上がりそうになる。 「く…すぐったい」 「くすぐったい、か。じゃあ、こっちは?」 きっと彼は見抜いてしまったのだろう。私が「気持ち良い」とダイレクトな言葉を言うことを恥ずかしがって避け、「くすぐったい」という何の変哲もない言葉に置き換えたことを。彼の手は私の胸をやわやわと形を変えるように揉み出した。残念ながら彼の大きな手からはみ出すほどの胸を持ち合わせていないので、そういったことも恥ずかしい。けれど彼はそんなことを忘れさせてくれるぐらい、私の胸を愛撫してくれる。 「…ぁっ」 「もうごまかせないよ。の気持ち良さそうに感じてる顔、可愛いのバレバレだから」 「…え!?」 「気づかなかった?ほら」 「あ…鏡!最初っからそういうつもりで…ゃっ」 「入った時に大きい鏡がついてるって分かってね」 正直、まだ真正面で向き合っていた方がマシだったのかもしれない。だってこれじゃあ自分の顔が自分で分かってしまう。自分がされていることが、より分かってしまう。ほら、今だって胸の膨らみの頂点に触れる彼の指使いだとか、手の平の撫で方だとか。分かると余計に興奮してしまうなんて。 「可愛い。いつもより気持ち良さそうだね」 「そ、そんなことっ…ぁっ…!下は、だめ…っ」 「せっかく洗ったのに、また洗い流さなきゃいけないかな」 お腹を何回か撫でられたあとにゆっくりと下りてくる彼の手。秘部にその手が辿り着いたのを鏡越しでも見て、感覚でも分かる。今まで与えられていた快感とはまた違う快楽。小さい膨らみを撫でられると身体がくねくねしてしまいそうで、必死で耐えるしかない。思わず目を閉じていたら、今度は急に違う感覚を感じた。 「ひゃあ!」 「ちゃんとキレイにしてあげないとね」 「ゃっ…それ、っ…シャワー…ぁっ」 一体どれだけノズルを回したんだろうかというくらいの勢いでシャワーが出てきて、おまけに間髪入れずにそのまま胸から下へと当てられる。秘部に上手い具合に当てられて気持ち良くなってる自分が恥ずかしくて仕方ない。 「…ん、シャ…シャワーじゃ嫌」 「え?」 「辰也くんのが…っ、良いの」 「参ったな、がそんな可愛いこと言ってくれるなんて」 耳にちゅっとまたもやひとつくちびるを落とされ、与えられたのは彼の指だった。ナカに一本、また一本とずずっと侵入してきた指は、器用に動き回る。時折ゆっくり壁を撫でるように動いたと思えば、徐々に速くなるそのスピードに比例するかのように私の喘ぎが短くなる。 「ぁっ、ゃっ…っ、ぁっ…っ」 「はここが好きなんだよね」 「やぁっ…待っ…て…っ」 「そんなに気持ち良さそうな顔をしてるのに、待てないよ」 「い、意地悪…っ…ぁっ」 「の可愛い顔を見れるなら意地悪でも良いよ」 「そ、…そうじゃっ…ぁっ、なくて…!」 「どうしたの?」 「これがっ…良いの…っ」 自分でも大胆な行動だったように思う。手探りで彼のモノを探しだし触れると、先程抱き合っていた時よりも固いように思う。鏡越しに彼の顔を覗くと目が合ってしまった。指が引き抜かれ、今度は背中にちゅ、とキスされると腰をぐいっと引き寄せられた。そのまま彼の固いものがお尻に触れ、そして私のナカへと侵入する。指よりも固くて太くて大きいモノが後ろから入ってきた衝動につい背中を少しだけのけ反ってしまう。鏡に手をついて彼のモノがゆっくりと動くのを感じながら、合わせて呼吸をする。けど、そんな呼吸もやがては喘ぎに変わる。彼の動くスピードが速くなり、肌がぶつかる音がやたらと響いて聞こえる。 「ぁんっ…!は…ぁ、気持ちいっ…んっ…」 「ようやく言ってくれたね」 「だ、って…ぁっ、ぁっ、」 「の可愛い声もいつより響いて聞こえるね」 「ぁっ、恥ずかしっ…それっ…、ダメっ、ぁんっ…!」 片足を持ち上げられてより奥へと彼のモノが出し入れされる。おまけに足を上げられたことによってやってくる羞恥心だけではなく、そんな自分と彼が繋がっている光景を鏡で見せられることによってくる快楽が怖い。のぼせそうで怖いのだ。 スピードが速くになるにつれ、お互いの会話はなくなり聞こえるのは私から漏れる声と、彼の少し荒々しい息遣い。その息遣いにさえ、快感を抱いてしまう。腰を両手で掴まれて今までで一番早いスピードに襲われるともう何も考えられない。 「はっ、ゃっ、イ…っ!」 言葉通り頭の中が真っ白になると同時にスピードが緩くなり彼のモノも引き抜かれた。お尻に感じる生温かい液体に、彼も私と同じだったのだろうと思うとやってくる幸福感。力が抜けて膝から崩れ落ちそうになるところを彼が抱き留めてくれた。 「良いね、しばらくクセになりそうだ」 そうして私の身体を洗ってくれるのだけど、結局本日2回目もこのバスルームで繰り広げられることになる。 アルコールシャワーで乾杯 |