俺は他人が思っているより、実は色々と気がつくほうなんじゃなかと思う時がある。周囲はよく俺のことをボーっ としてるだとか、普段はのんびりしてるだとか、人一倍大きい図体のくせに人一倍子供っぽいだとか、何も考えて ないだとか色々言う。けれども、俺だって意外と神経を使って日々過ごしている。例えばが日直の時。黒板を消 している姿が目に入る。女の子の中では普通くらいの身長なんだろうけど、思いっきり背伸びをしなければ当然一番 上までは届かない。爪先立ちしてプルプルと震えながら頑張ってるは超可愛い。でも、そのせいでの脚が余計に露出されてしまう。スカートが自然と持ち上がり、少し動いたらパンツが見えちゃうんじゃないかと思えて仕方ない。




、俺もやるー」
「え!?別に良いよ」
「いーの」
「敦くん・・・自分が日直の時は何もしないくせに」
「・・・そんなことないし」
「この前、友達がぼやいてたもん」




そりゃあ相手がだから手伝ってあげたいとか思うわけで、他の子は割とどうでも良い。いや、手伝ってあげたい とか言うのは本当は偽善で、ただ単に自分の自己満足である。この黒板を消すという行為は授業ごとに発生し、そ の度にが大勢の連中に脚を見せながら黒板を消す。この前なんか背伸びをしても届かなかったからか、ジャンプ までしだした。もちろん可愛い行動ではあるけど、そんなこと他の男もいる前でしないで欲しい。クラスの中には馬 鹿な男もいるから女の子が黒板を消す度に喜んでる奴もいる。厨二か。のその姿に喜んでる奴がいたら間違いなくヒネリ潰す。てゆーか、もう一人の日直の男どこ行った。




は変なところで天然というか自分に無頓着というか何というか。前から制服のシャツの下にキャミでも何でも良いから着てって言っ てるのに未だに着てくれない。これが冬ならセーターでごまかせるから良いけど、夏なら地獄だ、俺が。おまけに暑いだと か言ってシャツのボタンを外し、シャツをパタパタとさせるから困る。その時のは熱いせいか顔もほのかに朱く染まっており汗も少し掻いているから、何て言うか、エロくて仕方ない。




、透けてる」
「何が?」
「ピンクのレースが」
「・・・え!?うわっ、本当だ」
「だから何か着た方が良いって言ったじゃん」
「でも暑いんだもん」
「我が儘言わないの」
「我が儘!?敦くんが私に我が儘って言うわけ!?」





そんな会話を繰り広げているうちに喧嘩になってしまったことを覚えている。は下らないと言っていたが、俺に とっては一大事。そもそも自分の彼女の下着が少しでも他の男の視界に入ったら、それこそヒネリ潰したくなるのが 何で分かんないのか解んない。この喧嘩は全く関係のない室ちんが仲裁してくれて、何とか大きな事態には発展し なかった。でも、室ちんの言うことを素直に聞いてる姿を見るのはちょっとイライラした。




そう、はこっちがびっくりするくらい隙だらけなのである。他人の前でも、俺の前でも。それはどうやら自分に 自信がないところから滲み出でいるみたいらしい。俺と付き合う時だって散々嬉しそうに、でもオロオロしながら 「私で良いのかな、本当に良いのかな」と狼狽えていた。自分が可愛くて存在自体がもう魅力的だということに 気づかないなんて馬鹿すぎる。まぁそんな馬鹿なとこも好きなんだけど。




「ちょっと、こんなとこで寝ないで」
「んー・・・」




自分の部屋に戻ると、部活から俺が帰って来るのを待ってたであろうが寝息をすうすうと立てながら床にごろ んと寝転がっていた。いくらエアコンがついているとは言え、何もかけずにキャミでそんな短い短パンを履いて、一 体何を考えているのだろうか。おまけに横になっているせいで、普段はお世辞にも大きいとは言えない胸が強調され て見える。極めつけは脚。黒板を消している時には見えなかった部分までが見え、太腿の上の方にある俺しか知らない ほくろがちらりと見える。細すぎず太すぎない、肉付きのちょうど良いの脚は、俺自身の身体には望んでも手に入らないものなせいか、余計に欲したくなる。




「起きてってばー」
「んー・・・くすぐったいよ」




俺よりのほうがよっぽど子供ぽいと思う。普段はしっかりしてるから周りからは「しっかりした彼女と子供ぽい 我が儘な彼氏」と見られているみたいだが、現実は違う。は俺と二人きりのときに限って、甘えてくるし子供ぽくなる。 だから逆に自然と俺がしっかりしなくなきゃいけなくなる。今までそんなこと一切なかったけど、相手 だと自然にそうなるから不思議だ。の脚をさすさすと撫でながら揺さぶるとようやく瞼をゆっくりと持ち上げた 。怠そうに起き上がると、キャミとブラの紐が片側だけ下がっていて、え、何、誘ってるの?と思えるほど無防備だ 。おまけに寝起きのせいか目が蕩けており、いつも可愛いけどいつもより何か可愛い。まだ寝転がったまま、目を少 し擦っている。目を擦りながら俺に気付いたのか、はまだボーっとしながら俺に抱き着いてきた。




「お帰りなさい」
「ただいまー」




薄い生地からでも分かるの感触がやたらと俺の鼓動を早くさせた。直に触れたい衝動に駆られ、まずは唇にちゅー をしてみた。よし、次はどこにちゅーをしようかと考えていると、はするっと俺の腕から抜けてしまった。 ひどい、さっきまで俺に抱き着いてきたくせに、本当にあっさりしている。はそのままキッチンへ向かい、 俺の好きなココアを入れてくれるみたいだ。その後ろ姿にさえ、たまらなく愛しさを感じる。肩紐は相変わらず 片側下がったままである。早く直してよと思うのになかなか直してくれない。人がせっかく頑張って我慢してる のに。俺、頑張るとか超キライなのに。ちょっと頭にきたから、の背後から近づき思いっきり抱きしめて、危ないから火を止めた。




「うわぁ!びっくりした・・・」




身長差があるため、だいぶ厳しい体制ではあるが、紐が下がって 露わになっているの肩に唇を落とす。 普段は制服のシャツの下に着ろと言っているキャミは今ばかりは邪魔くさい。その邪魔くさい生地の下から左手 を入れのお腹を撫でる。右手はの、ちょうど良い柔らかい太腿を撫で回し、そのさらさらとした触り心地に 酔いしれる。は突然でビックリしたのか、一瞬身体を固まらせた。こういうとこも可愛いー。たまに子供ぽ くなるくせに身体はちゃんと女である。




「やらしー・・・」




固まっていた身体も耳元で囁けばすぐにビクっと動く。みるみるうちにの耳が赤くなり、顔が見えなくても今 どんな顔をしてるかなんて容易に想像がついた。クラスの連中はの肌がこんなに白くて柔らかいなんてことを 知らないんだろうな。がこんなにやらしいって事、知らないんだろうなーと思うと少しだけ優越感に浸れる。 そのままお腹を撫でてる手をだんだんと上に進めていこうとしたが、に制止させたれた。俺の手を払いこちら をくるっと向いて睨んでくるけど、そんな真っ赤な顔して睨まれても全然怖くない。でも、可愛いと思って頭を撫でると その手さえも払われた。え、そういうの傷つくんだけど。




「急にビックリするじゃない!」
「だってー。、今日超やらしいんだもん」
「やらしい!?どこが!?」
「その格好。やらしいしエロいし、誘ってるとしか思えない」
「誘っ・・・」




悪いけど否定の言葉なんて言わせない。の小さな顔を両手を使って真上に向けさせれば、あとはその可愛い唇を 奪うだけ。でも、あまりずっと上を向かせるのは首が痛くなって可哀相だろうから、割と早めに解放してあげる。 俺ってやっぱり優しい。おまけにちゅーくらいで疲れて蕩けるような目をしたをちゃんとベッドまで運んであ げるんだから。今思えば神経を使ってるのはに関わることだけ。結局のところ、俺はのことしか考えてないらしい。





甘い
クッションに
沈潜

(そんな可愛い無防備、二人きりのときだけにしてほしー)