あぁ、今日も暑い。こんな暑いのにどうして私たちは仕事をしているんでしょう。どうしてこんなに暑い隊服を着て仕事をしなきゃならない んでしょう。私は女用でスカートだからまだ良い。でも土方さんたちを見ているとこっちまで暑くなってくる。夏用の隊服とか出来ないもの だろうか。パトカーの車内はエコでクーラー使用禁止だし。窓を開けてせめてもの微風を感じることが唯一の幸せ。


「土方さーん、あつーい」
「んな事、わかってんだよ」
「だってー」
「つーか仕事中は副長って呼べっつったろーが」


私より暑いだろう土方さんは相変わらずクールだ。こうやってパトカーで見回りをしていても、いつもクール。運転していてもクール。 しかし、せっかく今日は土方さんと二人っきりで仕事なのに、こう暑いとくっつく気にもならない。運転してる土方さんはカッコ良くて 仕方ないけど暑いからただそれを見てるだけ。余計暑くなるとちょっかいも出せないのが何ともまぁもどかしい。


「おい、窓からそんな顔出してたらケガするぞ」
「だって暑いんですもーん」
「そんなん仕方ねーだろーが」
「土方さん暑くないんですかー?」
「暑いに決まってんだろ」
「よくこの暑さに耐えられますねー」


私は暑くて意味もないだろうけど手で自分の顔を仰いだ。・・・正直全然涼しくないけど。横にいる土方さんは汗ひとつかかないで 涼しい顔をしている。ずるーい、カッコイイ人って汗もかかないの?私は考えれば考えるほどイライラしてきて、隊服のスカートを ひらひら動かして少しでも風を送るようにした。そして首元を少し緩めた。


「って、ちょ!!!!!お前、何やってんだよ!?」
「暑ーい」
「暑いじゃねェーだろォォォォォ!」
「何ですか、大きな声出して。余所見してると事故りますよ」
「目のやり場に困んだろーが!」
「何を今更・・・」
「それとこれとは別だっつーの!それにここ街中だぞ!?」
「パンツはいてるから大丈夫ですよー」
「・・・そういう問題じゃねェよ」


土方さんは完璧呆れてるというか何というか。何を今更照れる必要があるのだろうか?それより好きな人の前で汗をかくことがどんなに 嫌なことかわかってほしい!土方さんのためでもあるのに(とか言いつつほとんどは自分のためだけど)。どうしてこの人はモテモテ なのに微妙な乙女心には気づかないのだろうか。いや、気づかなくて良いんだけど。とにかくもう任務なんてサボってどっか涼しいとこに でも行きましょうよー、とは流石に副長には言えない。


「ちょっとタバコ買ってくる」
「あー、自分だけ涼む気ですねー!」
「違ェよ!良いからはここで大人しくしてろ」


土方さんはコンビニの前にパトカーを止めてタバコを買いに行ってしまった。さすがに暑さで少しはイラついていたのだろうか。いつも よりタバコの消費が激しい気がする。私も土方さんと一緒にコンビニ行きたーい!でも隊服を直して行くのは面倒くさい。おそらく土方 さんもそう思って、私にここで待ってろと言ったのだろう。仕方ないから大人しく待ってることにした。そしたら土方さんは本当にタバコだけを 買いに行ったのか吃驚するほど早く戻って来た。


「おら」
「あっ、お茶だ!」
「それ飲んで少しは大人しくしてろ」
「わー、さすが土方さん!ありがとうございまーす・・・って!」
「あ?」
「何でアイス食べてんですか!?」
「食いたいからに決まってんだろーが」
「私の分は!?」
「それがあるだろ?」
「飲み物だけじゃなくて私の分のアイスは?」
「ねェよ」
「ガーン!!」


土方さんは羨む私なんて関係なしにアイスを食べ続けていた。っていうか土方さんでもアイスって食べるんだ・・・あ、マヨネーズ味の アイスか。でも美味しそうー。飲み物を買って来てくれた時には少し感動してときめいてしまったけど・・・飲み物ついでじゃん! 私は任務中はお金を持ち歩かない(大体いつも土方さんと同じ任務になりから大抵(無理矢理)奢ってもらう)。だから車を飛び出して 買いに行くということは出来ない。仕方ないから大人しくお茶を飲んだ。・・・おいしー。


「んな顔で見んな。食いにくいだろーが」
「気にしないで下さい。別に羨ましいなんて思ってませ・・・んっ!?」


正直、かなり羨む目で見ていたら土方さんがいきなりチューというかもう深いキスをしてきた!何さ、任務中は副長って呼べとか言って おきながら白昼堂々、パトカー内でちゅーですか!とか何とか思っていながら絡まってくる舌に気持ちよさを覚えている。気持ち良いって そういう意味でも良いんだけど、何か冷たくて気持ちいい。あ、土方さんがアイス食べてたからか。


「ん・・・っ」


意外と長い・・・というかもう熱い。アイスの冷たさなんてとっくにどっか行ってしまって変わりに今度は熱くなっちゃったよ!しかも 恥ずかしいというか土方さんにキスされてるから余計熱いのに、くっついてるから余計暑いっていうのもある。もう何が何だかわからないけど 結局は熱いのだ。でも土方さんはお構いなしにやめる気配をなかなか見せない。もうだったらこのままで良いや。


「これで満足だろ?」
「なっ・・・余計熱くなったんですけど!」
「満足そうな顔してるくせに何言ってんだ」
「え・・・」


私の顔はおそらく火が出そうなくらい赤いだろう。土方さんはそんな私の様子を見ながらニヤッと笑って頭をひと撫でしてくれた。 ちきしょう、カッコイイ!でもそういう意味で涼しくして欲しかったわけじゃないし、だったらアイス分けてくれれば良かったじゃんか! そのことを土方さんにも言った。


「だから言ったろ?目のやり場に困るって」
「え?」
「誘って来たのはだからな」


やっぱり夏は涼しくなりそうにありません!






アイスの使い道




(おい、今日はもう帰るぞ)
(もう終わりですか?やったぁ!)
(さっきの続きしねェとな)
(・・・・・)


<過去拍手夢>