「ねぇ、
「何、精市?」
「俺に隠してることあるんじゃない?」
「え・・・?」




どうして部室で急にそんなことを言ってくるのだろうか。精市に隠し事なんて出来るわけないじゃない。 ただでさえ怖い精市、柳という探偵まで従えてるくせに!私のことは筒抜けなはず。私より私のこと 詳しいくせに何言ってんだ!それに精市の嘘や隠し事の類をしたら、後が怖いということを私は知っている。 S気質な精市は謝っただけじゃ絶対に許してくれない。私が困って、泣いて縋りついてくるのを笑顔たっぷりで楽しむ。そういう男なんだ。だから私は精市に嘘や隠し事はしない(というか出来ない)。




「ふーん。そういう態度に出るなら、こっちも動くまでだよ」
「ちょ、待って!何のこと!?私、心当たりないよ」
は何とも思ってなくても、向こうが思ってる場合もあるってことだよ」
「え、余計に意味がわからないんですけど」




精市は笑顔。笑顔なんだけど、笑ってない笑顔ってやつ。明らかに怒ってるのがわかる。正直、精市が 怒ると面倒くさい。もちろん私への対応も怖いんだけど。何故かテニス部のレギュラー達に責められるのだ。 特に柳あたりから「精市の機嫌を損なうな」なんて言われるし。一番の被害者は私なのに、何故か毎回 怒られる。
私が前回、精市に怒られたのは嘘をついていたからだ。隣のクラスの男子に告白されたことを聞かれても、精市が何か言ってくることがわかっていたから「知らない」と言っていた。 しかし、ここでもまた余計 なことに柳という男が精市に私のデータを渡してしまった。そこで私は嘘をついていた事と、(何故か) 告白された事について、とっっっっっっても責められてしまったのだ。まぁ嘘をついたことは悪いとは思うけど。 その後に精市の何回も意地悪な言葉を言われ、たくさんお仕置きをされ、泣かされてしまったのだ。(恐ろしくて思い出したくもない!)




「本当に何も心当たりがないのかい?」
「だから何回も言ってるじゃん」
「一昨日・・・仁王と買出しに行ったんだって?」
「え・・・あぁ、うん」
「ふーん」
「え、ちょ!まさかその事を言ってるの?」
「俺に頼めば良かったじゃないか」
「部長の精市に「一緒に行って」なんて頼めるわけないでしょーが!」
「じゃあ何で仁王なんだい」
「その時、暇そうにしてるのが仁王とジャッカルしかいなくて・・・」
「それで?」
「ジャッカルは何となく可哀想(ブン太を赤也のお守りで)だと思って・・・」
「全く、は本当に隙だらけだね」
「はぁ?」




それにしても精市が怒ってる理由がわからない。仁王と買出し行くくらい良いじゃないか。というか 精市は必要だって言ったものを柳が私に伝えて買いに行かせたんだから!元はと言えば精市が元凶だろ! 何か・・・意外と精市って独占欲強いんだよなぁ。いや、そんなの付き合う前から何となくわかってたけど。 それに想われてるって思えば・・良いよね!(無理矢理プラス思考)




「俺としてはショックだな」
「何で?」
「だって周りの人たちからしたら仁王とがカップルに見えるじゃないか」
「そんな事ないでしょ」
「これは・・・お仕置きが必要だね」
「!!」




マ、マズイ!この流れでいくと前回と全く一緒になってしまう・・・!何とか精市の機嫌を直さなきゃ。 でも、ここで私が折れたら自分で私が悪いと認めてしまうことになってしまう。そんなのは嫌・・・だけど、 このままいくと、私の精神と身体がヤバイ。ここはプライドを捨てよう。




「せ、精市、ごめんね」
「繕った謝罪なんて、俺は求めてないんだよ」
「(怖っ!)ううん、本当に悪いと思ってるの」
「どうかなぁ」
「私が好きなのは精市だけだから!」




そしてそのまま精市に抱きついた。どうだ、ここまでサービスしたんだから良いでしょう!精市は 「どうしようかなぁ」と言いながらも、私の頭を撫でてくれた・・・んだけど背中もやたらと撫で回してくる。 いや、普通に抱きしめてくれてると捉えることも出来るんだけど、やたらと下着の線のあたりを触ってくるんだよね。 まぁ、精市のセクハラなんて今に始まったことじゃないから良いんだけど。




「わかったよ、
「え、本当?」
「今日はこのまま帰って2人でいよう」
「は!?部活は」
「あー、別に良いよ」
「(部長でしょうが!)いや、良くないでしょ」
「あ、ここでされたい?」
「な・・・何を!?」
「俺はそれでも良いんだけど」
「・・・いや、帰ろっか」




結局、精市には逆らえません。










甘さと酸味の
ハーモニー


(何だかんだ言って仲良し!)




(過去拍手夢!2009/10/10〜2010/08)