、そろそろ機嫌を直すでござる」
「・・・・・」
「そうっスよ!晋助さまは他の女たちの縁を切りに行っただけっスよ」
「・・・・・そんなのわからないもん」
「晋助は誰の目から見てもにメロメロでござるよ」
「(メロメロって・・・)そうっスよ!以外の女に見向きもしないはずっス」
「・・・・・そんなのわからないもん」
「「(もうずっとこの繰り返し・・・)」」


晋助さんが遊郭に行ったとの情報を噂にしてしまった。確かに昔はよく行っていたと聞いていたけど、私がここに住むようになって から行かなくなったと聞いて安心していたのに・・・。そりゃあ私は遊郭のお姉さんたちに比べれば子供っぽいし色気もないし夜の営み の技術も持ってないし(晋助さんの場合は夜とか関係なくだけど)。でもそれでも私は晋助さんのことすごい好きで、晋助さんもそれなりに 私のこと好きでいてくれてると思っていたけど・・・。やっぱりそういう下らないこと考えてるから遊ばれちゃうのかな・・・


「私・・・やっぱり遊ばれてるのかなぁ」
「それは絶対ないっス!」
「拙者もそれは100%ないと思うでござる」
「・・・・・どうしてそんなこと言えるの?」
「だってあの晋助さまが同じ部屋に住まわせてるの今まででだけっスよ!」
「でも遊郭にはよく行ってたんでしょ?」
「それはがここに来る前の話でござる。が来てからは本当に・・・」
「うわーん!!!」
「「!!??」」
「もうここ出てく・・・」


晋助さんに愛されてないならここにいる意味もないや。そもそも最初は行くところがない私を拾ってくれただけだし・・・。 あの時から、最初から晋助さんは私にとって怖い人ではなく優しい人だった。もうずっとこの人の隣にいたいと思っていた。 少し甘えすぎたのかなぁ。そろそろ私も自立しなきゃダメだよね・・・!!


「そ、それは絶対にダメでござる・・・!」
「そうっスよ・・・!(そんなこと許したら晋助さまに殺されるっス!)」
「みんなと離れるのは寂しいけど・・・」
「だったら拙者たちのためにもここにいてはくれぬでござるか?」
「うちらと離れるのが嫌ならこのまま此処にいるべきっス!」
「でもー・・・」
「晋助は本当にのことが好きで仕方ないはず」
「だから何でそんなこと言えるのー?」
を見る目だけは優しいからでござるよ」
「え・・・」
「そうっスよ!晋助さまがあんなに大事にしてるのだけっスよ」


2人ともすごい必死だな・・・。晋助さんのこと庇うくらい晋助さんのこと好きなのかな?そりゃ人望はあるかもしれないけど、でもっ・・・ このまま、他の人を抱いたかもしれない晋助さんの隣で暢気に笑うことなんて出来ない・・・!もういい!キレられそうになろうが 何だろうが出てってやる!・・・でも全く引き止められなかったらどうしよう。それも寂しい、というか悲しいな。


「よォ。ずいぶん盛り上がってるじゃねェか」
「晋助さん・・・!」
「お帰りなさいっス、晋助さま!」
「ちょうど良いとこに帰ってきたでござる」
「ふんだ・・・」
「おいおい、ずいぶん冷てェ出迎えだなァ」
「晋助さま、ちょっと・・・」


また子ちゃんと万斉さんが少し遠くで、ごにょごにょ話してる。「が機嫌損ねて大変なんスよ!」
「ここを出て行く、とも言ってるでござる」あの2人に説得でもされているのだろうか。それとも私を引き止めろとか言って、その気もない晋助さんに私を止めさせるのだろうか。そんなの全然嬉しくないし・・・。ようやく話は終わったみたいだけど 晋助さんは相変わらず笑ったまま。まさか開き直るつもり・・・!そんなの惨め過ぎて怖い!っていうか泣いちゃう!その前にさっさと此処からいなくなろう。

「おい、
「はっ、はい!」
「どこ行こうとしてんだ?」
「いや・・・ちょっと・・・」
「じゃあ俺についてこい」
「・・・・・」
「良いから行くぞ」


躊躇っていたら晋助さんが私の手を引いて歩き出した。言葉や態度とは反対に握っている手は優しくて前と変わらず落ち着くものだった。 やっぱりキュンキュンしてしまうのが私の心臓のいけないところ。手を引っ張られるままついていき、たどりついた場所は晋助さんと 私の部屋だった。そしてその部屋に着くなりすぐに壁のほうにやられてキスをされてしまった。ズルイ、私が何か言う前に口を塞いでしまう という魂胆だろうか。それにしてもズルイ。こんなことをされたら、さっきまでの決心が鈍ってしまい余計にドキドキしてしまうではないか。


「ん・・・・」


もうこうなったら抵抗してやる!とも思ったけどその手は晋助さんに掴まれてしまって無理だった。晋助さんの片方の手は私の後頭部 を支えもう逃げられないように固定されている。何回も何回も角度を変えられて深いキスをされて。少し苦しくなると一旦解放してくれるのだけど、 息を吸ったかと思うとまたすぐに絡めるようなキスをしてくる。その優しさと強引さが何とも言えないくらい好きなのだ。でもさすがに もう立っていられなくなりそうになった。そしたらすぐに晋助さんは唇を解放してくれたけど、今度は抱きしめられた。


「・・・っ・・・はぁ」

「あっ・・・」


晋助さんは耳元で囁いてきた。これまたズルイ。私が耳弱いって知ってるくせに。ただでさえ晋助さんの声は色気があって低音でカッコイイ のに・・・!そんな耳元で話されたら余計惑わされるに決まっている。もう力がなかなか入らなくて晋助さんに寄りかかっているような状態 だ。離れたいのに離してはくれない。でも本当は離れたくない。


、俺が欲しいと思うのはお前だけだ」
「・・・っ、だって遊郭・・・」
「ありゃあ挨拶に言っただけだ」
「挨拶・・・?」
「もう行かねェってな」
「・・・・・」

「ちょっ・・・耳元であんま」
「俺がお前を離すとでも思うか?」


ちょ・・・!もう何でも良いから、出て行かないから、この状態を何とかして下さい!また子ちゃんと万斉さん、陰から見てるのバレバレ だし。様子見てるんなら助けてー!私このままじゃ溶けちゃうよ・・・。晋助さん絶対わざとやってるし!顔が悪い笑みになってるし!

「晋・・・助さん!」
「お前を不安にさせた分、今夜はたっぷり可愛がってやらねェとなァ」






ずるい囁きで


惑わせる







(晋助さん、もう遊郭行かなくても良いんですか?)
(あァ?遊郭に行ってほしいのか?)
(いやです!・・・そうじゃなくて前は結構行ってたりしたって聞いたんで)
(もう行く必要もあるめェ)
(何でですか?)
(お前がいるからに決まってんだろーが)
(晋助さん・・・!大好きです!)