Afterward
この度は赤司くんの「残渣」を読んで頂きありがとうございました。
最後の「白銀の〜」という文章が書きたいがためだけに書いた連載だったので、かなり無理矢理な設定や話の流れになってしまったと思います。相手を赤司くんにした事に深い意味はないのですが、別で年上未亡人と赤司くんの切ないお話を書きたいと思っていたので、少し設定を変えて今回持ってきました。氷室さんでも良かったのですが、何となく赤司くんの方がしっくり来たので赤司くんに。タイトルの「残渣」は赤司くんの“残ってしまった想い(=残り滓)”を表現したくてつけました。本当は「残滓」にしたかったのですが、音の響きで「残渣」にしました。それから季節のお話を書くのが苦手なくせに、4話構成の季節をテーマにした連載にしてしまいました。特に最終話の「冬」は夏(07/12)に更新してしまった上に、わたしの文章力ですと尚更雰囲気が伝わらないかと思います。また、このお話は赤司征十郎を主役とした恋愛を書きたかったので、すべて赤司くん視点で話を進めました。ヒロインの感情の変化を上手く表現出来ず、読んで下さった方には分かり辛いお話となってしまい申し訳ありません。
色々な意味であまり万人受けしない、読み手の方には受け入れられにくいお話になってしまったとも思いますが、もし読んで下さり完結までお付き合い頂いた方がいらっしゃいましたら改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました!

以下、各話のちょっとしたメモです。各話、季節もそうですが実際にある場所を舞台にしております。少しでもリアルに近づけたかった私の悪足掻きかもしれません。
春:丸の内
「出会い」と「再会」です。あまり進展はなく淡々とした始まりだったと思います。特に思い入れも無いと言ったら冷めてるかもしれませんが、個人的には本当に「普通」なお話です。強いて言うなら、「大学って入学式、ガイダンス、オリエンテーション、サークルの勧誘…どんな感じだったっけ?」と遠い過去の記憶を必死で辿ったくらいです。あと、少しだけ含みを持たせたとすれば春のお話に出てくる花たちです。花言葉はひとつの花にいくつか存在したりもするそうですが、ここではアネモネの花言葉は「はかない恋」、スイートピー の花言葉は「優しい思い出」をイメージし、このお話には一切書いてませんが裏設定としてヒロインは丸の内の花屋で花を買って、婚約者の墓参りに行くところでした。舞台を丸の内にしたのは「社会人」や「大人」という面にもスポットライトを当てたかった為です。丸の内は日本の一流企業が集まっていて、日本経済にも関わる有名なオフィス街でもあるので丸の内にしました。
夏:京王線沿い(世田谷あたり)
前回の丸の内とは正反対に、緑も多く落ち着いている住宅街の雰囲気を出したくて京王線沿いの世田谷あたりをイメージしました。赤司くんとヒロインが再会を切欠に徐々に距離を近づけていくお話です。また、上に書いた年上未亡人と赤司くんの恋のお話を蝉に喩えて7話で書きたいと思っていたことがあり、今回最初と最後に「蝉」を使いました。
秋:鎌倉、湘南の海
鎌倉の和の雰囲気は赤司くんに合うと思っていたので、鎌倉を舞台にしました。また、ヒロインが過去を語るという上で海を背景にしたかったので、ちょうど良いと思い湘南に。正確な場所は忘れてしまいましたが、ヒロインが過去を話している場所は実在している場所をイメージしました。鵠沼あたりだった気もしないでもないですがちょっと覚えてません…笑 ヒロインの過去ばかりダラダラ書いてしまったので、申し訳ないことに読んで下さった方を疲れさせてしまったかとも思います。正直「冬」を書くためだけに考えた設定だったのですが、一応ここでのヒロインの過去がラストにも繋がるような設定にしました。
冬:箱根
この連載は「雪景色の中にある木の温もりが感じられるコテージのような場所で、白くて広いベッドで自由に愛し合ったのに、翌朝目が覚めたら彼女はいなかった」という、そんなシーンが書きたくて書いたお話です。そこから何となく「白銀のシーツをキャンパス代わりに全身で描いた愛は、隠れるように雪の中に埋もれてしまった。だから、雪を抱いて眠った。そしたら、朝には溶けて無くなっていた。忘れていたんだ、雪はあたたかくなると溶けて消えてしまうということを」という文章が浮かび、この文章を使いたいためだけに書いた4話から成るお話でした。色々と無理があったのでコテージではなくあえて普通の宿に妥協しました。ですが書きたかったことは割と書けたので(詰め込み過ぎてしまった感は否めませんが)、個人的に悔いはありません。ヒロインを「雪」と置き換え、「春」の最初の「そう、彼女はまるでー」に続く言葉が「冬」のラストの「雪のようだった」です。
たった4話のお話でしたが、あとがきにまでお付き合い下さりありがとうございました!
<07/12/2015>