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最初は姿を見れるだけで良かった。バスケをしている姿を少しでも近くで見れるだけで幸せだった。けど、好きだ って自覚して涼太くんに相談して、他のみんなにも協力してもらって・・・赤司くんにもっと近づきたいと思った。 どんどん貪欲になって、応援してくれたみんなに報いるためにも、自分のためにも、想いを伝えなきゃって思った。 さて、決意はしたものの告白なんてしたことがないから、そもそもが良く分からない。方法はメール?電話?手 紙?・・・いや、やっぱりここは直接でしょう!女は度胸!当たって砕けろ!・・・あんまり砕けたくはないけど。 でも、砕ける確率の方が高いんだからある程度は覚悟をしておかなきゃ。ダメで元々!絶対泣かない・・・! 07:ラスボス赤司くんに 告白をして彼女にしてもらう 〜前編〜 「っち、おはよっス・・・って、うわ!すげークマ」 「・・・ああ、涼太くん。おはよう」 「どうしたんスか、そのクマ」 「昨日赤司くんにどうやって告白しようか考えてたら朝になっちゃってて・・・」 そもそも私は赤司くんと対面するだけであんなにドキドキして心臓が張り裂けそうなのに、本当に告白なんて大そ れた事が出来るのだろうか?しどろもどろになっちゃって「・・・で、結局何が言いたいんだ?」とか言われちゃい そう!ど、どうしよう。いや、どうしようもないか。まずはこの朝練が終わったあとに、今日告白のために時間を貰 える交渉に行かなければ!お昼休みに告白すると、ダメだった場合に部活で気まずくなっちゃうだろうから、放課後 の練習後がベストかな?でも赤司くん、自主練していくだろうからその後?でも自主練の後って疲れてるだろうに、 そんな時に呼び止めて告白ってすごい迷惑なんじゃ・・・。えええええ、じゃあそしたらいつ!?世のお嬢様方は部 活をしている男の子にいつ告白してるんだろうか。 「っちって本当赤司っちのことになると繊細っスね」 「・・・涼太くんってさー、よく告白とかされるよね?」 「え?・・・あー、まぁそこそこっスけど」 「いつ告白されるの?昼休み?放課後?部活後?」 「(必死だな・・・)まぁ昼休みが多いっスねー」 そうか、他の子はマネージャーじゃないから昼休みに告白をしても、別にダメだった場合気まずくなったりしない のか・・・。うーん、どうしよう。ただ「好き」って言えば良いだけなんだから1分・・・いや10秒くらいで済む はず(計算通りなら)。でも、実際赤司くんを前にしてすぐ言えるかって話なんだよなー・・・ 「そっかー・・・じゃあやっぱ自主練後かなぁ」 「え、それまで待ってるんスか?」 「うん」 「でも、男からしたら遅い時間まで女の子待たせてたの分かると、何か申し訳なくなるっスよ」 「涼太くん、本当ジェントルマンだねー」 「いや、赤司っちだってそう思うって」 「うーん・・・じゃあ部活の練習後、自主練の前に勝負挑もうかな!」 「(勝負って・・・)まぁそれが無難かもっスね」 涼太くんにも相談し、決行時間は決定。あとは告白をするための時間を取り付けるかどうかだ。この朝練が終わっ たあとに「本日の練習後、時間頂いてもよろしいでしょうか?」と聞いておくか、練習後にいきなり「数分でよろし いのでお時間頂戴しても宜しいでしょうか?」と聞くか・・・迷ううううう! 「邪魔なのだよ」 「あ、真太郎くんおはよー」 「おはよっス」 「ねぇ、真太郎くんだったら時間を取られる時、前もって知ってたい?それともサプライズを望む?」 「何なのだよ、急に」 「お願いー教えて!」 「そりゃあ予定は分かってたほうが良いに決まっているだろう」 なるほど。赤司くんと仲の良い真太郎くんが言うんだから間違いない・・・!いや、でもちょっと待てよ。事前に 予約を取るということも、告白と同じくらい緊張するような気が・・・。というか、だったらその時に告白しちゃえ ば・・・ダメダメ!馬鹿だな私!それでダメだったら練習の時に気まずくなっちゃう。・・・でも、よく考えたら練 習後に告白したって翌日以降気まずいんじゃ・・・あああああ、負のスパイラルに陥るううううう。 「何なのだよ、一体・・・」 「まぁまぁ、恋する乙女っスから」 とりあえず朝練終了の時間も迫ってるし、涼太くんと真太郎くんにお礼を言って私も仕事しよう。この朝練の間に 考えなければ・・・! ************************ しかし、こういう時に限って時間は早く過ぎると感じるものである。考えがまとまらないうちに、朝練終了の合図 を告げるホイッスルが、無情にも赤司くんによって鳴らされた。もうこう頭がぐるぐるになってくると、告白をし て良いのかさえも分からない。うう・・・どうするの自分!ええっ、どうするの!? 「いてっ。おい、お前何フラフラしてんだよ」 「あ、大輝くん。ごめんごめん」 「ちゃん、今日いつにも増してボーっとしてるよね」 「え・・・そうかな?」 「何か悩み事?」 「悩み事っていうか・・・」 朝練終了後に、たまたま近くにいた大輝くんとさつきちゃんに告白して気まずくなったらどうしようだとか、不安 な状態や悩みをぶちまけてみた。大輝くんは指でボールをずっと回してるから、本当に聞いてくれてるのか分からな いけど。でも、ぶっちゃけ今こうして二人と話をしている時点で、もう赤司くんに今告白タイムの予約を取りに行く ことは出来ない。それならそれで逆に覚悟は決まるけど・・・でも、 「ちゃん・・・(相変わらず変なことで悩んでるなぁ)」 「ああっ・・・!もうどうしよー!」 「・・・そういや、この前赤司がポロっと言ってたな」 「え、何て?」 「上品な女がタイプだ、って」 「・・・・・・・」 「ちょ、ちゃん?しっかり!ちょ、ちょっと青峰くん、何てこと言うの!」 「何だよ、親切に教えてやったんだから感謝してほしいくれーだぜ」 「ジョウヒン・・・じょうひん・・・」 ちょっと待て。ジョウヒンって何だ!?ジョウヒン・・・じょうひん・・・上品か!え、上品って何?上品って ・・・品があるってこと!?よりによって上品な人??明るいとかだったらまだ少し希望あると思ってたのに・・ ・上品、って私と掛け離れ過ぎてる気がする。だって、悲しいことにさつきちゃんは私を励ましてくれていて、大輝 くんは笑ってるもの。ぐすん。 「ちゃん、タイプと実際好きになる人って違うことも結構あると思うよ」 「でも・・・」 「ま、今更色々悩んだって仕方ねーじゃん。告白するって決めたんだろ?」 「・・・うん」 「なら、いちいち細かいことなんて気にしねーで当たって砕けろ」 「青峰くん!砕けちゃダメでしょ」 「大丈夫だろ(つか、どうせ砕けねーんだし)」 「(っていうか何で今そんなこと言ったの!?)」 「(こいつは逆境の方が力を発揮するタイプだろーが)」 「・・・そっか!大輝くんの言う通りかも。今更色々悩んだって仕方ない!」 「ほら、な?」 「ちゃん・・・(逆に吹っ切れたのかな?」 「大輝くんって本当たまにだけど良いこと言うよね」 「おい」 確かに元々望みの薄い恋なんだから、今更告白して気まずくなったらだとか、タイプが自分とは違い過ぎるからだ とか、気にしたって仕方ない!100パーセントの自信なんてないけど、私にはこうして相談に乗ってくれたり応援 してくれる友達がいるんだから・・・!そこだけは自信持って良いはず。よし!今後のことなんて気にせず、放課後 の練習後に直接時間をもらいに行こう! ************************ さて。伝える時は「好きです」じゃなくて「付き合って下さい」・・・の方が良いのかなぁとか何とか考えたら昼 休みになってしまった。付き合って下さい・・・いや、そもそも付き合うって何だ?一緒に帰ったりデートするっ てこと?でも、そんなの今時付き合うからすることでもないし・・・。え、じゃあ付き合って下さいっておかしい の?いや、だからと言って「好きです」だけじゃ「そう。え、だから?」みたいになっちゃうのも嫌だし・・・う ん、やっぱり「付き合って下さい!」だ! 「あ、ちーん」 「敦くん、今日は購買?」 「うん、ちんの変わり種弁当も恋しいけどねー」 「変わり種?・・・そうだ、敦くん!」 「何ー?」 「敦くんってさ、結構モテるよね?」 「えーそう?わかんなーい」 「モテるモテる。あのさ、告白される時って何て言われるの?」 「告白なんてされねーし」 「ええ!?されてるじゃん!もしかして聞いてないの?」 「そうかもー」 聞く相手を間違えただろうか・・・。確かに告白の呼び出しをされて、それに敦くんがついて行くっていうのは、 ほとんど見たことがない。だからか少し前から、敦くんに告白しようとしてる女の子たちはみんな、敦くんが絶対 起きてる昼休み(お昼ご飯を食べるから)とかに敦くんのとこに行くらしい。そんな光景をよく見たことがある。 というか敦くんにお弁当とかお菓子食べて貰ったりしてた時も、よくそんな場面に遭遇した。。でも、大体ご飯に 食べるのに夢中で聞いてない・・・ってとこかなぁ。 「そっかー。いや、告白って何言えば良いのかなぁって思って」 「・・・ちん、告白すんの?」 「う・・・うん」 「へー・・・頑張ってねー」 「ありがとう!とりあえず頑張って付き合って下さいって告白する!」 「え?」 「え?」 「・・・好きって言わないの?」 「え・・・あ、どうしようかと思って」 「付き合ってって言われたって、言われた方は何でかわかんねーじゃん」 「あ・・・」 「わかんないけどー、まずは好きって言った方が良いんじゃないの?」 目から鱗だった。確かに付き合う=好きだからという式を勝手に理解していたけど、そう思ってない人からしたら 付き合ってって言われたって何で?って思うだろうし、もしかしたらどこか場所とかに付き合ってって意味にも捉え られてしまうかもしれない。物事を深く考えない敦くんだからこその意見かも・・・!いや、逆に深イイイイイイ! 「敦くん、ありがとう!」 「?まぁよくわかんないけど頑張ってねー」 Back * TOP * NEXT |